在宅総合医療管理加算の算定漏れを防ぐ|対象疾患と医科からの文書
三輪 俊太歯科医師公開 2026.10.15
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この記事で分かること
在宅総合医療管理加算は、全身疾患のある在宅の患者さんについて、医科の担当医から文書で情報を受けて総合的な医療管理をしたときに、歯科疾患在宅療養管理料に50点を加える加算です。対象の病気が決まっていて、文書の出し手と残し方にも決まりがあります。
- 対象は、糖尿病・骨吸収抑制薬の投与中など、通知に挙がった患者さん
- 文書は、別の医科の保険医療機関の担当医から、診療情報提供料の様式で受け取る
- 担当医からの情報の内容と医療機関名を診療録に書くか、文書の写しを添付する
この記事では、算定の条件と、個別指導で指摘されないための記録の残し方をまとめていきます。
在宅総合医療管理加算の算定要件
歯科疾患在宅療養管理料(C001-3)の注4に定められた加算です(告示C001-3注4・通知C001-3(7))。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 点数 | 内容50点(歯科疾患在宅療養管理料に加算) |
| 届出 | 内容不要 |
| 文書の出し手 | 内容別の医科の保険医療機関の、その病気の担当医 |
| 文書の形 | 内容診療情報提供料に定める様式に基づいた文書 |
| 文書の中身 | 内容全身状態や服薬状況などの、歯科治療に必要な診療情報 |
| 行うこと | 内容適切な総合医療管理 |
| 記録 | 内容担当医からの情報の内容と担当医の医療機関名などを診療録に記載、または提供文書の写しを添付 |
加算なので、その月に歯科疾患在宅療養管理料を算定していることが前提です。告示は文書の出し手を「別の保険医療機関(歯科診療を行うものを除く。)」としています。病院か診療所の、医科の担当医からの文書かを確かめてから算定しましょう。
居宅療養管理指導を算定している患者さん
介護保険の居宅療養管理指導費(歯科医師が行う場合)を算定し、歯科疾患在宅療養管理料を算定したものとみなす場合があります(通知C001-3(14))。このときは、在宅総合医療管理加算は算定できません(疑義解釈 平成30年その3 問14)。同じ問で、文書提供加算と栄養サポートチーム等連携加算も、いずれも算定できないとされています。
対象になる病気と薬
通知C001-3(7)に挙がっている患者さんは次のとおりです。
| 区分 | 対象 |
|---|---|
| 病気 | 対象糖尿病/感染性心内膜炎のハイリスク/関節リウマチ/神経難病/HIV感染症 |
| 薬 | 対象骨吸収抑制薬の投与中/血液凝固阻止剤または抗血小板剤の投与中 |
| 感染症 | 対象初診料の通知(16)ト・(19)に規定する感染症の患者さん(疑いを含む) |
対象には、病名で当たる患者さんのほかに、投与中の薬で当たる患者さんも含まれます。病名とあわせて服薬の状況も確かめておきましょう。
令和3年度改訂版の「保険診療確認事項リスト(歯科)」には、この加算の指摘に「施設基準の届出を行っていない」があり、対象の患者も5つでした。令和7年度改訂版では届出の項目が無く、対象が上の表のとおりに増えています。
個別指導で見られる3点
厚生労働省の「保険診療確認事項リスト(歯科)」令和7年度改訂版には、この加算について次の指摘の例が挙がっています。
| 見られる点 | 指摘の例 |
|---|---|
| 記録 | 指摘の例担当医からの情報提供の内容と、担当医の保険医療機関名などを診療録に記載していない。文書の写しも添付していない |
| 対象の患者 | 指摘の例通知に定める患者に該当していない |
| 文書の出し手 | 指摘の例別の医科の保険医療機関(歯科診療を行うものを除く)の担当医から、文書で情報の提供を受けていない |
算定する月には、この3点を診療録で示せるかを確かめておきましょう。
漏れやすいところ
算定漏れで一番多いのは、対象の病気を拾えていないことです。また、この加算には診療情報提供書が必要なため、提供書をいただいていなければ算定できません。
特養や老健では、施設のカルテや患者情報を見せてもらって全身疾患を把握していることが多く、医師からの診療情報提供書が無いままになりがちです。そのため、実際には算定できないケースがよくあります。
診療情報提供書を医科に頼むとき
算定のためだけに診療情報提供書を出すのは、少し違うと考えています。本当に必要なときに診療情報提供書を出し、返ってきたものに対象の病気が載っていれば算定する、という形でよいでしょう。
名前の似た点数
| 在宅総合医療管理加算 | 在宅患者歯科治療時医療管理料 | |
|---|---|---|
| 区分 | C001-3注4(加算) | C001-4-2 |
| 点数 | 50点 | 1日45点 |
| 届出 | 不要 | 必要 |
まとめ 算定する前のチェックリスト
- その月に歯科疾患在宅療養管理料を算定している
- 通知に挙がった病気か薬に当たる(病名と服薬の両方を見る)
- 別の医科の保険医療機関の担当医から、診療情報提供料の様式の文書を受け取っている
- 文書の内容と担当医の医療機関名を診療録に書いたか、写しを添付した
- 総合医療管理をした内容を診療録に残した
出典
- 診療報酬の算定方法 別表第二 歯科診療報酬点数表(令和8年度改定)C001-3注4
- 診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(令和8年3月5日 保医発0305第6号)別添2 歯科診療報酬点数表に関する事項 C001-3(7)
- 保険診療確認事項リスト(歯科)令和7年度改訂版(ver.2507)
- 保険診療確認事項リスト(歯科)令和3年度改訂版
- 疑義解釈資料の送付について(その3)(平成30年4月25日)
この記事を書いた人
三輪 俊太
Ihana訪問歯科グループ 代表
- 歯科医師
- 日本補綴歯科学会専門医
- 日本老年歯科医学会認定医
- 日本在宅医療連合学会会員
大阪大学歯学部卒業、同大学院博士課程修了。義歯・栄養・多職種連携を専門に、Ihana訪問歯科グループで訪問診療にあたっています。歯科医療者向けの教育事業(IhanaAcademy)を主宰し、学会・研修会での講演も行っています。